ホクロ除去失敗や後悔をしないために知っておきたい治療の種類やリスクについて

こんにちは。美容クリニック勤務15年。現役カウンセラーのAkiです。

先日お友達とした会話。

友達「○○皮膚科でホクロ1個1,000円でとれるねんて!安いし行ってみようかなー。」

Aki「おっ、安いねー!機械何使ってホクロとるの?」

友達「えっ?ホクロとり方になんか種類あるの?」

Aki「えっ!!ホクロのとり方何種類かあるよ。使用する機械によってホクロの取れ具合も違うし。傷の残り方も違うよ!どの治療にもメリットデメリットってあるしね。」

友達「えっ!そうなん?深く考えたことなかったし、ホクロの取り方とかどこのクリニックでも一緒やと思ってたわ!!」

そうなんです。ホクロにはいくつかの治療方法があり、メリットデメリットももちろんあります。

美容クリニックで働いていると、ホクロ除去をしてホクロの跡が凹んでしまった。ホクロの跡が白く残った。肥厚性瘢痕・ケロイドになってしまった。こんな経験をしたという患者様も相談に来ることがあります。

これって失敗?この傷治るん?やらなかったら良かった。

などと、後になって後悔しないために、事前に知っておくと良いホクロ除去についてのお話をさせていただきます。

ホクロ除去治療の種類とメリットデメリット

あまり知られていませんが、ホクロ除去にはいくつかの治療方法があり、ホクロに膨らみがあるのか・大きさはどれくらいなのか。どこの部位にあるのか。

ホクロの状態によって治療法を使い分けることでより効果の高い治療が可能となります。

切除縫縮(手術)

メスを使ってホクロを切除をし、きれいに縫合するやり方。ホクロの大きさよりも大きく木の葉状に切除して線上に縫い合わせていき、1週間後に抜糸をします。

こんなホクロにオススメ

●直径5㍉以上の大きめホクロや平らなホクロ・膨らみのあるホクロ。
●身体にあるホクロ。
●多少、傷が残っても1回で取ってしまいたい方。

メリット

手術のため1回できれいにとることができ、再発の心配がほとんどない。

デメリット

執刀する医師の技術力によって仕上がりが左右される。場合によっては傷跡が目立ってしまうことがある。

電気メス分解法

電気メスの熱を利用して組織を蒸散させて破壊。ホクロを除去していくやり方。治療経過としてホクロ除去した部分が少しくぼみができるが、時間とともに皮膚が再生していくことで平らになっていき、ホクロの色素も徐々に薄くなっていく。

こんなホクロにオススメ

●5㍉くらいまでの小さなホクロ。盛り上がりのあるホクロも可能。
●少ない回数でホクロを取りたい方

メリット

外科的手術と比較して手軽にでき、比較的価格はリーズナブル。麻酔をして治療を行うので痛みは麻酔の時だけ。小さいホクロだと1回でとれることもある。

デメリット

深い部分に母斑細胞が残るため、再発する可能性がある。大きなホクロを除去しようとすると陥没するケースが多くなる。

基本的に傷跡が目立ちにくいといわれているが、下の写真のように小さいホクロでも傷跡が白く残って目立ってしまうことがあり、傷跡を残さずきれいにホクロを除去することはできない。

CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)

電気メスと同じ原理で、皮膚内の水分と反応して熱エネルギーをが発生し、ホクロの組織だけを蒸散させていく方法。水分に反応するため、色素のないイボなどの治療も可能。

こんなホクロにオススメ

●小さなホクロから大きなホクロ・膨らみのあるホクロも対応可能。
●イボも対応できる。

メリット

外科的手術と比較して手軽にでき、麻酔をして治療を行うので痛みは麻酔の時だけ。小さいホクロだと1回でとれることもある。

デメリット

深い部分に母斑細胞が残るため、再発する可能性がある。

CO2レーザーは細いビームで細胞を蒸散させ、皮膚を切るようにホクロを除去していきます。別名レーザーメスともいわれていて、電気メス同様、傷跡は目立ちにくいが、傷跡を残さずホクロを除去することはできない。

Qスイッチレーザー

メラニン色素にだけ反応し、色素を破壊することでホクロを除去していきます。正常な部分の肌には影響なく治療することが可能。

ホクロの色が消えるまで、1~3カ月に1回の頻度で繰り返し治療を行います。

こんなホクロにオススメ

●平らなホクロ、色素の薄いシミホクロ。
●シミも対応可能。
●傷跡を残さずキレイにホクロを取りたい方。

メリット

メラニン色素の色や深さに合わせてレーザーの強さや照射時間の調節が可能。電気メスやCO2レーザーとは違い、ホクロ以外の正常なお肌には影響がないため、傷跡が残りにくいのが最大のメリット

平らなホクロや小さなほくろの場合、長期にわたるテープ保護は不要。

デメリット

深い部分に母斑細胞が残るため、再発する可能性がある。

黒い色素が深部に及ぶ場合は、完全に色素をとりきるのは難しい。

何回でホクロの色素が消えるかの予測が不可能。平均5~6回程度の治療が必要。

ホクロ除去傷跡なくきれいにとりたいならQスイッチレーザーが絶対おススメ。

治療をするうえで、傷跡なくきれいに仕上げたい!!ということを重要視するのであれば絶対Qスイッチレーザーで除去をするのがおススメです。

傷跡が絶対残らない。という保証はありませんが、手軽にできる電気メス・CO2レーザーと比べると、機械の特性上、周りの組織に影響を与えないので、傷跡ができるというリスクは少なくなり、仕上がりがキレイです。

盛り上がったホクロをキレイにとりたいならCO2レーザーとQスイッチレーザーの併用がおススメ。

Qスイッチレーザーはメラニン色素にしか反応しないため、盛り上がりのあるホクロの色素は治療できたとしても、盛り上がりまで取り除くことはできません。

そんな盛り上がりのあるほくろの場合は、CO2レーザーで盛り上がりだけをとり、深部の色素に対してはQスイッチレーザーを用いて治療することできれいに仕上げることができます。

※CO2で深くとってしまうと陥没して傷跡が残ってしまう危険性があるので、盛り上がりはきれいにとりきらず、ほんの少しあえて残して、Qスイッチレーザーでメラニン色素を破壊することできれいに仕上げることができます。

これって失敗?事前に知っておきたいホクロ除去をするうえで起こりうるリスク。

ホクロ除去だけに関わらず、治療するうえで切っても切り離すことができないのがリスク。ホクロ除去治療で起こりうる代表的な副作用を紹介します。

炎症後の色素沈着

レーザー除去後、ホクロを除去した部分がシミのような薄茶色の色素沈着をおこしてしまうことがあります。ほとんどの場合数カ月かけて消えていきますが、中には消えないものや濃く残ってしまうことがあります。

除去後、ハイドロキノンを部分的に使用することで炎症後色素沈着になるのを防ぐ効果もあるので、ホクロ除去と併せてハイドロキノンの使用もおススメします。

ホクロ除去したところが白い跡が残る

ホクロの黒色の色素は取れますが除去したところが白く跡が残ることがあります。

こちらは私の手の甲です。電気メスで治療してこのようになりました。事前にリスクの説明をきいて、傷跡になること承知の上での治療をしました。

以前のホクロは鉛筆の芯くらいの青黒いホクロだったので、確実に治療することで目立たなくなりました。

顔の治療を検討している場合は、このようなリスクがあることをしっかり理解しておく必要があります。

ケロイド・肥厚性瘢痕

切除縫縮・電気メス・CO2レーザーでのホクロ除去を行った場合に、傷跡が盛り上がって残ってしまう肥厚性瘢痕や、赤みや盛り上がりが強く、もとの傷よりも大きくなるケロイドが発生することがあります。

肥厚性瘢痕やケロイドの発症は、体質によるところもあり、治療部位「口周囲・顎・耳たぶ・胸の中央・下腹部・肩・背中・恥骨部」などに出きやすい傾向があります。

ケロイドや肥厚性瘢痕になってしまった場合は、1年~2年ほどで自然に目立たなくなるものもあれば、なくならないものもあります。

基本的な治療法としてはステロイドという炎症を抑える塗り薬や貼り薬(ドレニゾンテープ)・注射(ケナコルト注射)などで状態に合わせて治療を行います。

場合によっては外科的に切って縫う手術をすることもあります。

【まとめ】ホクロ除去で失敗・後悔しないためにもクリニック選びを慎重に!!

手頃な値段・治療でできてしまうホクロ除去。安易に安いからといって、それだけでクリニックを選んでしまうと、後で後悔することが本当にあります。

失敗しないホクロ除去をするクリニック選びのポイントは「どの治療法で除去をするのか!!」をまず必ずチェックするようにしましょう。

あなたはホクロを除去するうえで、何を優先させますか?

多少の傷跡了承の上、早く確実に1回でとってしまいたいのなら切除縫縮が良いと思います。

手術は怖い。傷跡が残ってもいいからなるべく少ない回数でとりたいなら電気メスかCO2レーザー。

回数・時間は多少かかっても傷跡を極力残さずにきれいに仕上がりよくホクロを除去したいのであればQスイッチレーザーをおススメします。